アラ・ハバキの「道の奥」廻り

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zoom RSS 合掌土偶と旅をする

<<   作成日時 : 2018/06/08 10:49   >>

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 現在、合掌土偶は旅にでている。

 その合掌土偶は「両腿の付け根及び膝と腕が割れており、割れた部分をアスファルトを使って修復し、長く大事に使用していたものと考えられる。」という状態で出土している。それは割れたのか、割ったのか、合掌に似た仕草が意味するものとともにいくつかの説がある。

 修復に使用された天然アスファルトは“秋田産です”と、是川縄文館のボランティア・ガイドのKさんは言っていた。この天然アスファルトと合掌土偶のつながりについては、2009年に国宝指定された際の理由として(文化庁発表より抜粋―掘りdayはちのへ12)、第3番目に

―縄文時代のアスファルト修復・全身の赤色塗彩・合掌形・完存品などの特徴は、縄文時代の習俗を考えるうえで極めて高い価値を有する。―

と、あげられている。

 昨年、企画展示された一戸町御所野博物館発行の図録「えっ!縄文時代にアスファルト」には、国宝・合掌土偶も、当時破損したものが修理されていた!と題し、

―(略)合掌土偶はカミ棚から落ちたと考えられ、アスファルトで接着した手・足の部分でバラバラになった状態で床からみつかりました。調査の結果、壊れた土偶を大切に補修して祈り続けていたことがわかりました。−

と説明があった。


<出土時の合掌土偶図/一戸町御所野博物館図録>
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 秋田市の北隣りに潟上(かたかみ)市がある。
 近年の合併で、今の名称になったのだが、“カタカミ”の名は「片上」として古代の“元慶の乱(878年)”の際、賊地のムラの一つとして出てくる旧い歴史をもっている。

 国道7号から、道の駅しょうわ「ブルーメッセあきた」の名にひかれるようにクルマをいれると、ドイツ語で“花”を意味する“Blume”から名づけられたように、ここには花卉(かき)があふれていた。


 その道の駅の前の道路端に案内板が立っていた。

 そこにはナウマン象のイラストと「石油の里」の名があり、この先500m右折と誘うような文字があった。ブルーメッセで多年草の花卉をすこし手に入れたあと、右折していくとまもなく「豊川油田」への案内板が、ふたたびの右折をうながしていた。それには、「近代化産業遺産」「豊川油田の歴史を伝える会」の文字のほかに、目的地への道筋が描かれている。

 集落の真ん中を走る道は、上り坂になっていてすぐに「採油井」という鉄製の櫓の遺物が立っていたが、陽が落ちはじめていてまぶしく、写真がうまく撮れない。
 さらにせまい道をいくと、「綱式一号井跡」への小さな案内が立ち、右折した下り坂は農地へでもいくようにせまく曲りもある。
奥まった家のわきに遺跡はあった。

 近代化産業遺産として2015年に潟上市指定史跡になった「綱掘式一号井跡」を説明する文章の冒頭で

―古来、天然アスファルトの産地として広く知られていた豊川槻木地区はー

と、その長い歴史の一端に触れている。


<豊川油田案内板>
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<採油井跡>
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<豊川油田綱掘式一号井跡>
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 旧昭和町(潟上市)槻木の天然アスファルトは1900年ごろから、近代化産業として採掘され始めたが、その最盛期の1905年に天然アスファルトのなかからナウマンゾウの化石が採集された。国立科学博物館の台帳に記載はされているが、その行方は戦中の混乱のすえに不明となっているらしい。
 秋田県立博物館研究報告bP(1976年)に、槻木での化石産地調査のいきさつが載っている。

 そのなかで、天然アスファルトについて

―天然アスファルトの出方には、二つのタイプがあり、一つはアスファルトを含む砂泥層の状態で産出するものと、他は地下から原油か湧き出た際に塊状となって沈殿したものである。(略)
土地の人々は天然アスファルトを「カブ」と呼び、この地点を「カブ山」といっているが、これは、切株を思わせるような塊状のアスファルトにつけられた愛称と思われる。―

ということは、縄文時代に土偶の接着材として使われた「天然アスファルト」は簡単に遠くまで運べたようだ。


<天然アスファルトの塊/一戸町御所野遺跡>
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<アスファルト痕のあるパレット土器/一戸町御所野遺跡>
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